ウェブコンサルタントになるには

インタビュー vol.5

お客様を身近に感じ
適切な手法をご提案することで、一緒に成長する。

アナグラム株式会社 代表取締役  阿部圭司氏
http://anagrams.jp/

阿部氏

リスティング広告という専門分野でコンサルティングを行うアナグラム(株)阿部氏にインタビュー。取り組みの経緯と事業戦略から考える広告運用についてお話を伺います。
(レポート:坂下 千可子)

阿部氏

阿部氏

阿部氏

阿部氏

阿部氏

阿部氏

範囲が広く専門用語が多い。勉強は必須。

坂下千可子(以下、坂下) 阿部さんのプロフィールには、アパレルメーカーからウェブ業界に入ったとあります。
よろしければその経緯を教えてください。

阿部圭司(以下、阿部)アパレル業界でデザイン経験を積んだのち、アメリカに行きました。ちょうど選挙戦の時期で盛り上がっていたのですが、そこで一人の子供を見つけました。その子は、自分の応援していた候補が負けて「これからの4年間、自分たちが責任をとらなくてはいけない」と泣いていました。それを見て、日本に帰らなくては、と強く感じたのを覚えています。

帰国後当時の売れ筋書籍を読み、その間ひと月ほどで「これからはウェブだ、ウェブをやろう」と決めました。
そのころ、ある会社から依頼を受けてリスティング広告の担当者に会う機会がありました。会議中は専門用語ばかりだったので、「絶対に勉強するぞ」と決意。リスティングは用語が難しいので、きちんと理解するには勉強が必要です。翌月次の会議に臨むまでにSEO、SEMの書籍を片っ端から読みました。理解を深めてからは担当したサイトの売上が3倍になり、本格的にリスティング広告を始めることになりました。リスティング広告で成果を出せば、お客様が喜んでくれると実感したことが大きかったです。

坂下具体的にはどのようなお仕事ですか。

阿部リスティング広告コンサルタントに絞っても、取り扱う範囲はとても広く、手法と呼べるものも何十個もあります。広告の種類も、検索したときに表示されるいわゆるリスティング広告だけでなく、ディスプレイ広告やリターゲティング広告についても一緒に取り扱うことが多いです。専門家の立場から、お客様の業種によってどんな広告、どんな手法が適切かを提案しています。

 

リスティング広告で、新しい市場を手に入れる

坂下事前にいただいている登壇者アンケートで、「お客様を次のフェーズに連れて行く」という言葉が印象的でした。

阿部リスティング広告はとても責任が重い仕事です。
たとえばECで売上を上げるとなると、SEOかリスティング広告から集客をスタートする方が多いでしょう。特に成果が出るまでに時間がかかるSEOに対して、リスティングはすぐに効果が表れるため、成果が出るかどうかで、お客様が継続的にお金をかけようと思うかどうかの判断が分かれます。

そのために重要なのは、顕在層だけでなく、潜在層に出稿できるか、といったことを選択肢として持てるかどうか?ということです。
今のリスティング業界では、ビッグキーワードでどれだけ勝負できるかばかりを考える傾向があります。しかし、私が発想として重要視するのは、顕在層ばかりを見るのでなく、潜在層に出稿できるかどうか。そのチャレンジができるかどうかで、次のフェーズに行けるかどうかが決まります。これを実現するには、具体的な仮説を提案したときに、その仮説に納得してもらえるかが鍵になります。新しい市場を手に入れることが、リスティングの本当の価値です。

リスティング広告がうまくいくと、クライアントは「ウェブ広告はすごいな、使える」というイメージが膨らみ、「他の売れる広告は?」と能動的に取り組んでくれるようになります。
月商が上がれば雇用も生まれるし、どういう戦略でどんな広告を使うかを考えてくれるようになります。その段階になると、リスティング広告以外の戦略にまでアドバイスをできるようになります。
私たちのように小さな会社は、お客様を身近に感じ、次のフェーズに連れて行くことで、一緒に成長して行かなくてはならないのです。

お客様と伴走するイメージで取り組む

坂下いまからリスティング広告コンサルタントを目指す方へのアドバイスはありますか?

阿部私がリスティング広告を始めたころは、仕組みもとてもシンプルでした。今はとても複雑になっていて、これから始める人に同じノウハウを求めるのは難しいと思います。誰かのやり方をお手本にするのは大事ですが、その人のコピーになるのではなく、自分なりの得意なジャンル、やり方を見つければ良いと思います。

また、コンサルタントを名乗るのであれば、相手側の立てる目標のみならず、経営やキャッシュフローを理解する必要があります。経営的な話ができるリスティング運用会社は少ないです。私自身は直接経営者や責任者と話すことが多く、クライアントの経営会議に出席することもあります。そのくらいの関係にならなくてはいけません。

また、リスティング広告はウェブサイトで成果をだすための1つのトリガーですが、それだけを見ていればよいということではありません。コンサルタントは、相手の事業戦略から考えることで、フィーをいただけるのだと思っています。単なるリスティングプレイヤーという意識では、そうはいかないでしょう。コンサルタントとして、お客様と一緒に成長、伴走するイメージで取り組んでいます。

 

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