ウェブコンサルタントになるには

インタビュー vol.3

業界全体の成長を考えると、ウェブコンサルティング系のイベントが増えていくことに期待

株式会社技術評論社 クロスメディア事業部 電子出版推進室 室長 馮 富久氏
http://gihyo.jp/

馮氏

プレス訪問にあたり、今回のイベントについて、またウェブ活用に対するご意見を伺いました。
(レポート:権成俊)

ウェブと戦略を結び付けようという動きが加速してきている

権成俊(以下、権)私たちはウェブコンサルティング専業で12年前からやっています。
私たちが考えるウェブコンサルティングは、ウェブサイトの作り方や、アクセス対策のアドバイザー、という意味では無く、もっと大きな視点で、各企業がどのようにネットを活用すべきか、ということです。

創業時は5年も経てばウェブコンサルティングニーズは爆発的に増えるだろうと思っていましたが、実際は時間がかかりました。5年ほど前までは、ウェブプロフェッショナル向けに「顧客の経営を考えよ」「成果に責任を持て」というメッセージを発信すると、「それはコンサルタントの仕事でしょ」という反応が多かったです。

馮富久(以下、馮)自らがコンサルタントにならないまでも、経営とウェブサイトを一気通貫にする、という意識は必要ですね。
ここ数年の取材などを通じて、ウェブと戦略を結び付けようという動きが加速してきているように感じます。
特に、ウェブプロフェッショナルの立場からだけでは無く、各業界のプレイヤーがウェブを積極的に活用しよう、という動きです。

ネットを軸に考える業界が増加傾向に

本来ネットのプロフェッショナルが手法だけを持って各業界に進出するよりも、各業界の知見を持ったプレイヤーがネットを活用しようとする方が競争力がありますね。

ウェブの業界はクラウド化が進み、Amazonをはじめとしたインフラの影響力が大きくなり、結果として上のレイヤでの競争がし烈になってきました。それが、業界のプレイヤーがウェブを活用する動きの要因の1つと考えています。
また、インフラのクラウド化に加えて、テクノロジーのコモディティ化が進んでいるため、制作会社もコスト競争が激しく、従来のウェブ業界はますます苦しくなります。

少し話が変わりますが、たとえば私が所属する出版業界において電子書籍が普及する動きが見え始めたり、日本の伝統である年賀状もはがきを送る以外にメールやLINEといったネットツールへ移行したり、さまざまな業界でネットを軸に考える変化が起きています。これらの変化をリードする専門家へのニーズは増えています。

セブンアンドアイを始めとする、流通のオムニチャネル化もありますね。どんな業界も確実に顧客の選択基準が変化し、新しいビジネスモデルへの変化を求められています。

流通に関して言えば、昨年はYahoo!ショッピングの無料化に見る大手の変化に加えて、BASEやSTORES.jpなどのスモールスタートのプラットフォームが登場するなど、いままた変化が起き始めました。結果、たとえば手作り品のフリマ系ECなど変化のその先が見えてきています。
さらに、イベント開催とネットの連動というシーンも増えています。ZOZOのWEARなどのようなサービスが登場するなど、販売ツールとしてのネットではなく、リアルへの導線に特化した、イベント連動販売手法が増えてきました。
これは、Tokyo Girls Collectionが一般的になるようなイメージだと思っています。いずれにしても大手が動くと時代が動きますね。

ウェブのテクニックは進化しても、ビジネスとセットで考えるべき

当社も、年々増え続けるお客様のニーズを感じ、今年は本当にウェブコンサルティング元年になると思っています。

これからもウェブの技術が進化し多様化していくように思います。それを活かすためのスキルアップ系イベントのニーズはますます求められていくでしょう。しかし、そのスキルをどう活かすかはビジネスとセットで考えなければいけません。
ですから、明日から使えるテクニックだけを扱うのではなく、たとえば今回のような、ウェブをビジネスとしてどう扱うか、ウェブコンサルティング系のイベントが増えていくことは、業界全体の成長の点からしてもとても楽しみですし、期待しています。

 

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