ウェブコンサルタントになるには

インタビュー  Vol.1

ウェブは学びやすく楽しく、そして頑張り次第で
どんどん成長できる業界。

株式会社ロフトワーク 社長 諏訪光洋氏
http://www.loftwork.jp/

諏訪氏
ウェブをはじめサービスデザインも手掛ける株式会社ロフトワーク 諏訪社長へインタビュー。
移り変わりが早い世の中で、デザインと一言でいっても表層の制作だけでなく、経営的な視点から戦略や概念のデザインまでプロデュースすることが増えてきたといいます。
そんな諏訪社長に、ウェブコンサルタントの必要性についてお話を伺います。
(レポート:権 成俊)
ロフトワーク諏訪氏

ロフトワーク諏訪氏

ロフトワーク諏訪氏

ロフトワーク諏訪氏

モノだけでなく新しい顧客体験もデザイン

権成俊(以下、権)まず、ロフトワークさんのお仕事について教えてください。

諏訪光洋(以下、諏訪)私たちはもともとクリエイティブエージェンシーと名乗り、ウェブサイトを中心としたデザイン、制作を行ってきました。しかし、最近ではその表現に収まらない仕事も増えていますね。
たとえば、ある施設の中でのウェブの利用をともなった、新しい顧客体験をデザインしています。最近はサービスデザインなどのキーワードが使われるように、デザインという言葉がモノのデザインでは無く、体験や概念のデザイン(設計)と結び付けて使われるシーンが増えました。私たちの仕事もすごく広がっています。

狭いウェブの世界は成熟。新たなウェブ活用に対応できる人材が必要。

以前お話した際に、「どんなウェブサイトを作るか、というゴールを決める仕事のニーズが高まっている」とおっしゃっていたのが印象的でした。O2O、オムニチャネル化も進む中で、ネットが絡んだサービスデザインについてのニーズが高まってくると思います。多くの企業がウェブサイトの活用を相談する窓口はウェブ制作会社ですから、自然とウェブ制作会社に相談するでしょう。

諏訪以前はウェブサービスを世界規模で展開するベンチャーが次々と現れましたが、Facebook、Pinterestを最後に、最近は世界規模のウェブサービスベンチャーは出てきていないな、という感じです。変化が早いとはいえ、ウェブの世界の中だけに閉鎖されたサービスは成熟しきった感があります。
それに対して、LINEのような、ネットを活用したサービスでありながらも、ウェブサイトが主体では無いものが増えてきています。今後どんどんすそ野が広くなり、これらのサービスを支えるノウハウを持った人材が必要になるでしょう。そういう意味で、ウェブコンサルタントという仕事はこれまで以上に必要になってくると思います。

ネットと事業が両方わかる人は少ない、だから若い人でも勉強すれば、活躍できる分野。

ウェブコンサルタントという言葉のさすところが人によって大きく異なりますね。最近多いのは、SEOやウェブ解析などの、ウェブに関わる特定の手法についてアドバイスをする仕事だと思います。しかし、私たちはもう少し広い意味でウェブコンサルタントという言葉を考えています。ウェブに関わるプロフェッショナルで、全体のゴールを定義できる人です。

諏訪いわゆる経営コンサルタントのような、経営についての専門家はすでにたくさんいます。しかし、インターネットの成熟により事業環境が大きく変化する中で、これまで誰も経験したことのない商品やサービスが求められています。これを実現していくには、インターネットに習熟したコンサルタントが必要だと思います。それをやれるのがウェブコンサルタントだと思います。経営に長けていて、なおかつネットに詳しいという人はまだ多くありません。経営や戦略、組織の設計を学ぶには時間がかかるけれど、習熟していない若者でも、ウェブ上に情報がたくさんあるから、勉強してネットに詳しくなれば活躍するチャンスがありますね。

同感です。しかし、ウェブ業界で、コンサルタントを目指す方はまだまだ少ないと感じています。

諏訪それでも、5年前と比較すると、そういうテーマに興味を持つ方は圧倒的に増えていると思いますよ。ウェブ制作に特化した人でも、ウェブ制作が好きで、ストイックに追及して、高い視点を持っている方がいます。ウェブコンサルタントとは言っても、それぞれの興味のある分野を突き詰めて、キャリアを作っていけば良いと思います。これから活躍できるかどうかは、興味のある分野を掘り下げて、学び続けられるかどうかだと思います。

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