つまるところビッグデータは不要かもしれない

今月号のHBRの特集記事は「アナリティクス競争元年」。
http://www.dhbr.net/ud/backnumber/533cfc02abee7b6b85000001
全体的に、ビッグデータへの過信に対する揺り戻しを思わせる警告記事が多かった。

先月ある企業のデジタルマーケティング研修の講師を務めた際に、ビッグデータについても触れた。ビッグデータが大きな成果をもたらすのはイノベーションにつながった場合だが、そのために足りないのはデータでは無く決断力だ。大企業ほど決断力が足りず、決断力がある小企業にはリトルデータで十分である。ビッグデータが価値を持つのは、結果として、大企業の業務改善だけ。CRMやERPのときのように、ビッグデータビジネスのプレイヤーの市場を作るだけに終わると思う。

また、セブンイレブンの鈴木敏文さんのPOSに絡む話が良かった。
「データは構想に従う」。
私もよく重要なのは仮説力だという話をする。
事業の部分のみを見ていると、足りない部分を埋めるという発想になりがちだが、ビジネスや社会を大海として見ていると、その発想に意味がないことが理解できている。戦略とは、大海に航路を描くものである。