売れないのは高いからではなく価値が足りないから

ユニクロが「脱・価格経営」を発表。
2015年8月期の連結決算で売上高1兆5千億円、営業利益2000億円と過去最高の見通しだが、それでも2期連続で値上げを行う。

売れないのは高いから?

メーカーが小売りに乗り出したり、小売りが製造に乗り出す場合、自社の担うプロセスが増えますから、マーケティングコストが増えます。
これまでの利益構造でそれがまかなえないのであれば、値上げが必要です。
たとえば、リスティング広告を出稿していて、CPAが高騰して赤字になってしまうのであれば、商品の値上げをします。

こういう話をすると、「値上げをすると売れなくなる」という方がいます。
もしそうだとするなら、それは価格が高いからではなく、価値が足りないからです。
必要なのは商品、サービスの価値を高めることです。

選択権は消費者に

インターネットの登場は消費者に情報を与え、選択権は売り手から買い手に移りました。
消費者は欲しいものが決まれば、簡単に価格比較をすることが出来ます。
オンリーワンの価値を提供できなければ、価格競争にさらされるのです。
だからこそ、これまで以上に、価格競争ではなく、価値を作ることが企業の最優先課題になっています。

コストは誰が負担すべきか

「コストが増えても、それを消費者に負担させるべきか?」という意見もあります。
私は消費者が負担すべきだと思います。
なぜなら、価値を享受するのは消費者だからです。
そのかわりに、企業はより満足していただける商品、サービスの提供に努めるのです。

値上げの時代に

これからオリンピック開催の2020年までは物価上昇が続くと思われます。
多くの企業が値上げを余儀なくされるでしょう。
いま求められているのは、躊躇せず値上げを断行し、そのかわりにより良い価値を生みだす「覚悟」ではないでしょうか。