抽象と具体
デザイナーの仕事は抽象的なゴールを具体的な形にすること。
じつは経営者の仕事も同じです。
抽象的な価値を商品という形にしたり、もしくはサービスとして提供します。
これが、経営とデザインは似ていると言われるゆえんです。
思考と表現
私は人間の思考を3つの階層で考えています。
1階層目は、言語で共有できる思考、2階層目は、言語化は難しいが、自分の中ではある程度のイメージなどで表現でき、再現性がある思考。
3階層目は、頭の中でも表現が難しい、直感とかアイデアと呼ぶにふさわしい思考です。
囲碁や将棋の手を考えるような作業はこのレベルではないでしょうか。
私自身も、「こうやるとうまく行くのでは」というアイデアが先に立ち、なぜそれがうまく行くかをフレームワークに沿って分析しなおすことが良くあります。
デザイン思考
最近はマーケティングや商品、サービスにおけるデジタルクリエイティブの範囲が広がり、経営のゴールをデジタルデザインとして表現することが増えています。
そこで、デザイン思考という概念が注目されています。
デザインのように、抽象的な概念をつかむアイデアだしの作業を経営でも活用しよう、ということのようです。
(厳密な定義は定まっていないようで、たんなる経営における商品デザインの重要性のように言われることもあるようです。)
デザイナーが直面する困難
みなさんはこの動画をご存知でしょうか。
この動画の完成度の高さ、私は大好きなのですが(笑)、それは置いておいて、デザイナーやシステム開発の専門家にとっては笑えない話です。
経営者は主に戦略やコンセプトなど、抽象的な概念を中心に扱います。
先ほどの思考のレベルで言うと、2階層目か3階層目です。
そして、デザイナーによって、それは最終的に商品やサービスになります。
つまり、デザイナーの仕事は、より高い階層の概念を、1階層目に翻訳して、顧客に伝えることなのです。
しかし、戦略やコンセプトは抽象的な概念であるため、上手に共有し、議論することが出来ません。
その中に何らかの矛盾をはらんでいても、自ら気づけないことが多いのです。
(だからこそ3Cなどのフレームワークで整理することが重要です。)
デザインの段階になり、具現化されていく過程で、その戦略、コンセプトの自己矛盾に気づくことがあります。
だからこそ、これに最初に気付くのはデザイナーであることが多いでしょう。
そうなったら、その矛盾を経営層にフィードバックし、改善するか、
対立する概念に優先順位を付け、自分で優先度の高いものを優先的に実現するという判断が必要です。
これが出来るためには、デザイナーにも戦略思考が必要です。
戦略的デザイン
戦略とは、絞り込み、フォーカス&ディープ、何をやり何をやらないか。
じつは、この考え方は「何を伝える為に、何を伝えないか」というデザインの思考とまったく同じなのです。
これからは戦略を理解できるデザイナーが必要になるでしょう。
そして、それはデザインそのものを極めることと同じだと思います。
当社には、そんなデザイナーが活躍する場所があります。
興味がある方は気軽にコンタクトください。